シャープの経営不振を巡り、INCJや鴻海との間での騒動から、もう5年も経過する。鴻海傘下からも、4年だ。見事に、黒字体質となったが、成長性は限界があり、鴻海の経営環境も大きく変わる中で、戴社長も続投が続き、大きな転換点を迎えている。このブログでも、2015年3月以降、累計70回以上のコメントをしてきた。https://www.circle-cross.com/2015/03/19/注目されるシャープの行方/
当時は、鴻海は、脱EMSの転換、業界も液晶からOLEDへシフトする中で、シャープの技術を必要としており、シャープも業績悪化の中で、INCJを選ぶか鴻海かという選択肢の中で、大多数がINCJ傘下を主張予測する中(日経新聞、東洋経済等)、識者の中で、ほぼ唯一、鴻海を支持、予想もした。
これは、INCJ案が、①JDIと統合、JDIの隠れ損失を埋めることも目的、②パネルだけの水平統合では採算的に難しい、③国内連合の限界、④この①から③の結果、共倒れとなる、⑤シャープの良さは液晶パネルではなく、液晶応用という垂直統合にある、⑥サプライチェーンやコスト力がある鴻海とのシナジーが期待できるからである。https://www.nikkei.com/article/DGXLZO97172410Q6A210C1NNS000/
鴻海傘下が決まった後も、マスコミはじめ多くの識者など意見は、「鴻海はリストラし、技術や事業を直ぐ切り売りするだけで成功しない」に対し、TVなどでも再三再四、「リストラはしないし、既に液晶技術やOLEDでは鴻海が上であり、むしろ、シャープのブランド力が鍵であり、一定の成功は収めるが、OP1000億円が限界であり、R&Dが課題」と指摘してきたが、実際に、その通りとなった。
日経新聞でも3月中旬に、総括的な記事に加え、液晶パネル分社上場検討、JDIとの統合、鴻海傘下の限界、R&Dの問題などが論じられている。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57044230Z10C20A3TJ1000/
あまりに、予想通りの展開だが、脱EMS、脱アップル等に成功せず、シャープも戴氏では、成長戦略が難しい。後継の生え抜きのトップもいない。読み切れなかったのが、米中摩擦やコロナウイルスショックだ。