日立が、マスコミ・投資家アナリスト共で、Webにより、5月29日15時半~16時半過ぎから、決算説明会、17時から中計進捗説明会を開催、視聴した。
決算説明会は、新CFOの河村CFO、中計進捗は東原社長が説明。河村CFOは、三菱商事から世銀なども歴任、2015年に日立に転じ、IT部門やCSOを経て、今回CFO。日立のCFOキャリアとしては異例だろう。2020年度の計画は開示。また、今回やや驚いたのは資料の充実であり、一新され要点が分かり易くなった、さらに、セグメント別ROICなど、長年、アナリストが求めてきた経営数字を公表したことは評価したい。
業績~実績は本体健闘、今期は4割OP減益
2019年度は、売上8.7兆円、OP6618億円、EBITDA6190億円、EBIT1836億円、NP875億円、三菱重工との南ア和解金等が響いた。売上コロナ影響は、売上1461億円、OP469億円。コロナ影響を除くと、売上8.9兆円、OP7088億円で、ITとインダストリーが増益、ITを中心とするコア5セクターは、売上5.7兆円、OP5101億円で増益、上場子会社は売上3.2兆円、OP1986億円で減益。Opmもコア5セクターは8.9%に対し、上場子会社は5.9%。B/SはCCCが74日と5日長くなったが、コロナ影響で在庫多めと入金遅れ。
2019年度は昨年度に続き大きくポートフォリオ入替を推進した年だった。クルマでは、シャーシーブレーキを買収、傘下の日立オートと、ホンダ系のケーヒン等統合、エネルギーでは、ABBパワーグリッドを買収、さらに、米JRオートメーション買収、日立ハイテクを子会社化、富士フイルムへ画像診断事業を譲渡、昭和電工に日立化成売却。また懸案だった南アでのプロジェクト和解、英原発も一段落。
2020年度は、売上7.08兆円、OP372億円、EBITDA10210億円、EBIT6140億円、NP3350億円。NP増益は、前期の南ア和解金3700億円が無くなる上、日立化成売却2700億円があるため。
コロナ影響は売上1兆円(上期7-8割)、OP3010億円と大きいが、クルマ、インダストリー、モビリティが多いが上場子会社の建機、金属も厳しそう。
中計進捗
17時から東原CEOがプレゼン、コロナ影響下でも、社会イノベーション事業で成長、キャッシュマネジメント、構造改革、人財の獲得と育成を強化、また、2030年カーボンニュートラルを宣言。2050年度は、CO2削減80%、水・資源の循環50%とした。
2019年度の成果として、Lumada強化でVantara改革、ロボットSIのJRオート、クルマ部品などM&Aや親子上場解消など、南アの三菱重工との和解を挙げ、一定の自己評価のようだ。また、セグメント別のROICが開示、2018→2020年度で、ITが19.6%→18.4%→12.5%、エネルギーが7.4%→6.4%→14.5%、インダストリーが9.3%→8.6%→3.1%、モビリティ12%→11.3%→5.3%、ライフが8%→6.9%→6.1%、やはり、エネルギーとライフが悪く課題。