2017-2018年に偶然にも、縁あって、日本イスラエル協会、イスラエル大使館協賛のセミナーで講演し、テルアビブ大学学長に理科大学長を、紹介を兼ね、朝食会議をしてから、イスラエルのベンチャーのセミナーにも参加している。
今回、5月26、27日に、イスラエル大使館経済部、イスラエル輸出協会、JETRO共催、5G関連の10社が、ZOOM会議で、紹介された。最初に、大使館などから挨拶、その後、各社のプレゼンだった。
今回の参加企業10社は、Runel( 5G向けRRH(DU)/Macro Base Station向けSoCソリューション)、Tetavi(ボルメトリック3D映像撮影システム)、Texel(クラウドベースパーソナライズコンテンツ視聴)、Visiblezone(携帯端末を使用した車と歩行者間の双方向事故防止システム)、Binah.ai(ビデオベースのバイタルサインモニタリング)、Saguna(マルチアクセス・エッジクラウドコンピューティング)、Notraffic(渋滞防止のための信号機管理システム)、Vorpal(ドローンによる位置情報トラッキング)、Mantis vision (3Dイメージ スキャナー)、Eye-Net Mobile(V2X 事故防止ソリューション)である。
さすが、イスラエルのベンチャーだが、5GやADASなどは、日本でも似たものはある。この中では、AC時代を考えると、Volumetric Video(VV) 技術のTetaviとMantis vision が目を引いた。
VV技術は、立体3D画像あるいは、SFの瞬間物質移動の技術であり、私自身が大昔やっていたホログラフィなども、この関連である。ここ数年、VRやARで注目、マイクロソフトやソニー等が、取り組み始めている。
報道によれば、VV市場規模は、世界で2020年の14億米ドルから、2025年には58億米ドルの規模に成長、スポーツ観戦の視聴エクスペリエンスの改善、イベントやクリエイティブ市場で期待されていたが、コロナ危機の中では、授業や会議などでも有用だ。アバター技術も一層進化する。
鍵は、どう3Dをスキャンして撮影、どうキャプチャーするかである。カメラも、これまでの2Dから、自由視点カメラあるいは、3Dカメラという発想が重要だろう。スキャンでは、CTのように輪切りにするのか、表面をなぞって、有限要素法のようにするのか、などである。キャプチャーの仕方では、ポータブルスタジオ(まさにSFの瞬間物質移動装置)や、ハンディターミナルを使う方式もあるようだ。
また、3Dゆえ、情報量も多い。かつて、ホログラフィ画像の情報量の研究をしたが、ホログラフィでは、撮影と再生で、異なる条件でレーザー光を当てることもあり、計算が難しかった。伝送は、5Gでこそ、可能だろうが、多様な独自の圧縮なども必要だろう。
3Dの画像圧縮では、すでにCAD図面等で使われており、ラティステクノロジーによるXVLがデファクトスタンダードとなっている。ただ、CAD図面の場合は、対象がダイナミックに動くわけではないが、VVでは、エンタメや臨場感が重要であり、3D画像がダイナミックに動く。Mantisによれば、20Mbpsで、高画質が可能のようだが、アニメーション的になるか、実写的になるか、などがポイントだろう。