リアルとバーチャル~ZOOMによるチャレンジ

 

大学院MOTでは、ゼミの研修指導のみだが、6月より、リアル授業を開始している。ただ、学生は、所属する会社の方針で、ZOOM参加もある。通常、30人程度入れる教室だが、3密を割けるため、10人程度とし、リアルは教員3、学生6ZOOM参加が3というパターンが多かった。

 

 机にPCを置いて、スクリーンに画面を投影して、画面共有したスライドで説明する。カメラは内蔵だと、顔が大きく映るので、教室全体を映すため、別途カメラを設置している。

 

こちらは、リアルで盛り上げようとするが、意外と学生は、この1-2か月のZOOMに慣れたおか、自分のPC画面を見て、あまりこちらを見ない。そこで、あえて、ホワイトボードに、手書きで、絵やキーワードを書いて、注目させるが、また、元に戻る。

 

 こちらも、ZOOMだけなら、画面での学生の表情を見て、意見を求めたりするが、リアルで、学生がいるわけだから、そこを見て、議論を盛り上げる。そこで、ついつい疎かになるのが、ZOOM参加学生の表情だ。挙手をしていても、リアルを見ていると気が付かない。PCに映る15人程度の顔を凝視し、今度は、リアルな顔を見る。近視と乱視、老眼も進み、眼鏡もPC用とリアル用で頻繁に変えるので大変で、そのうち、頭がクラクラする。楽なのは、PC画面だけを見ることだ。リアルで近くにいるのに、皆、PCを覗いているのは奇妙な光景だ。

 

 一番、困ったのは、音響である。教室の音響もマイクを入れ工夫しているが、難しい。だれかがミョートにしていないと、ハウリングが起こるのだが、これも、リアルの声と、PCの音が兼ね合いが、難しく、たまに、発言する際にミュート解除、終了後ミュートを忘れていると、始末に負えない。

 

 しかし、それでも、同じ部屋での一体感、ホワイトボードを見て書いて、首を回し、他の発言の様子を見ながらの議論は、ZOOMだけとは違う。学生からも、情報量が明らかに違い、深い議論ができるという声だ。

 

 本来、ZOOMは、ZOOMのみであり、リアルとの協創は考慮していないだろう。しかし、複素数ではないが、リアルとバーチャルのシナジーは、新しい議論の形を生むだろう。そういう会議ソフトがあれば、うれしい。