尊敬する知人から、日本の電機・半導体の逆転の可能性、チャンスを考えるに関して、野中郁次郎先生の「戦略の本質」を勧められた。有名な「失敗の本質」の姉妹作ともいえる名著でそこそこは売れたそうだが、不勉強で知らなかった。「失敗の本質」は、爆発的に売れ、世間で話題になり、小学生時代に、「太平洋開戦史(伊藤正徳)」を何度も熟読した他、大東亜戦争に関しては、かなりの書籍を読んだ小生も、こういう視点があったのかと、大いに感銘を受けた。
戦略の本質
この「戦略の本質」は、日本の戦いではなく、毛沢東の反「包囲討伐」戦、バトルオブブリテン、スターリングラードの戦い、朝鮮戦争、第四次中東戦争、ベトナム戦争の詳細なケーススタディから、逆転を可能にした戦略について分析、最後に戦略の本質についての10命題を提示している。社会科学と自然科学の本質の差にも触れ、興味深い。
3つの逆転のケーススタディ
日本の電機や半導体の逆転は、簡単ではないが、米中摩擦等で、世界のサプライチェーン大変化の今が、好機でもあるだろう。そこで、この20年間で、小生が知る大逆転と言える、下記3ケースから、「戦略の本質」のフレームワークを参考に、それを業界全体の大逆転に結び付けれるかを考えていきたい。