2月12日午後13時半からWEBでマスコミ投資家合同の説明会、その後、質疑はマスコミと投資家アナリストに分けて実施。プレゼンと質疑は、加茂上席常務であり、ロジカルで明快だが、これまでのCFOと比べ、何か物足りなく、製造業でなく、ファンドの説明を聞いているようだ。主要な担当アナリストも直の弟子世代から孫弟子世代が中心になってきており、切込み深い議論が足りない。マスコミは、臨時株主総会、東証1部復帰はいいが、オリパラの森会長辞任の質問は余計だろう。
業績は最終利益上方修正
業績は堅調であり、売上30900→30700億円、OP1100→1100億円、EBITDA1950→1950億円、継続事業税前利益1000→1200億円、500→700億円。200億円上ブレは、東芝ロジスティクス売却益は想定以上、引当金見積もりが減少、株価水準上昇で含み益のため。
なお、今回から、コア営業利益のメイン開示を改めた。コアの定義が微妙な上、徐々に、何がコロナ禍影響かどうか難しいからであり、これは妥当だろう。実際、コロナ禍影響も、1Q→4Qで、▲493→▲209→▲190→▲8(期ズレ含む)となっている。ただ指摘もあったように、セグメント別でのコア利益の比較が難しい。
セグメント別は、エネルギー、インフラがやや弱い印象で、受注も15%減、ただ受注残は6%増、鉄道などコロナ禍もあり、内外で弱そう。
EVに絡んで独自LiBであるSCIBの件もあり、充放電回数は10倍だがコスト1.5~1.8倍であり、ライフサイクルコストに利点があり、バスや列車用で市場離陸。
デバイスは好調で稼働率90%、2021年に向け後工程確保が鍵であり、300mmウェハー投資を決定、ただフル貢献は、3-4年先の模様であり、TSMC誘致等との関連がどうなるか。
キオクシア3Q持分法利益は、赤字45億円、q/qでビット増1桁後半、単価1桁減の模様。なお、IPO後は、現金化の手取り半分を株主還元へ。
2021年度については、コスト面では、固定費等増えそう。補助金減や、アフターコロナ時代でも、ある程度の出張等コスト回復、成長投資もあるため。
総合電機は、ファンドかイノベーターか
財務戦略は、6つの方針は不変であり、最適資本の考え等、極めてロジカルだが、内部イノベーション、R&Dについての説明が乏しかったのが残念だ。今回、DXやCO2政策などの動きもあり、そういう話題もあれば、良かった。