日本のTV等でも、すっかり有名になったTSMCだが、最初に訪れたのは90年代半ばだ。台湾半導体に注目、新竹工業団地を訪問して以来、四半期である。まだ日本の半導体が強く、韓国のサムスンも台頭する頃だったが、設備投資などの勢いに、ショックを受けたことを覚えている。当時は、まだ、DRAMなどが主であり、TSMCもUMCと競って、ファウンドリも、立ち上がりつつあった。あまりに変化が急なので、数ヶ月毎に訪問、2-3日で20社近く訪問と効率良く、市況の変化や、サプライチェーン動向、多様な戦略も参考になり、密度の濃い出張だった。正直、TSMCが、UMCにこれほど差をつけ、ここまで巨大になるとは思っていなかった。
そのTSMCが、大きな戦略転換に出ているようだ。基本的には、TSMCは長らく、地震や中国の脅威という地政学的リスクがある台湾にほぼ工場を集中(例外は、中国の上海や南京の他、一部、米に8φレガシーのFab11はある)、先端ロジックの前工程に集中するという戦略であった。