ルネサスの那珂工場のN3棟(12インチライン)で火災が発生した。40nmの自動車向けマイコンなどを生産しており、影響が深刻化する可能性もある。消防車も入ったため、1か月程度稼働できなくなる可能性もあるだろう。ルネサス、車載半導体の主力工場で火災 20日に現場検証 :日本経済新聞 (nikkei.com)
報道によると、出火元はN3棟の生産ライン工程の一部であるメッキ装置で、出火原因は過電流の発生によるらしい。同社によれば、メッキ装置の筐体とメッキ槽は熱への強度が相対的に低いようだ。火災による焼損面積は約600㎡、N3棟1階のクリーンルーム面積(約1.2万㎡)の約5%相当、煙や煤で汚染された。焼損した製造装置は11台、全製造装置の約2%に相当するという。8インチライン(N2棟)とウェハテスト工程(WT棟)は稼働を継続、製品の出荷は可能な状態だという。生産再開メドや、仕掛品の被害および業績などへの影響については現在不明、精査中だとしている。TSMC等への委託が鍵だろう。
ルネサス那珂のN3棟は、もともと、トレセンティテクノロジー時代に、世界初の12インチ工場として建設、当時、工場見学もしたが立派なラインだった。
なぜ、最近、半導体工場で火災が多いのか。関係者と議論したが、現場の技術者等のリストラし過ぎと、工場を立上げ、現場で経験のある技術者が定年退職したからではないか。日本が半導体でファブライト化して、10年以上たち、新工場もキオクシヤ以外にはない。現場のノウハウを分かっている技術者は年々減っている。