学生は、ファーウェイの話題、M&Aの話題、企業業績動向は、ニュースとしてではなく、仕事の延長線上や仲間うちのSNSで認識するのだろう。スマホでチェックするのはYahooニュースや、NewsPicksが多いというが、そうであれば、ニュースの上位に来るには、自身が検索、関心があるのが上位に来るため、全体的コモンの話題が無いのだ。
昭和の時代は、TVの視聴率も高く、スポーツはプロ野球か相撲位だった。まず朝起きて、あるいは電車で、日経新聞を読んで、共通の話題があり、挨拶替わりが、日経1面の記事や、私の履歴書、ややインテリは経済教室や朝日新聞の天声人語、あるいは昨夜のプロ野球や大河ドラマと言ったところで、そこから商談が進んだりしたものだ。おそらく、金融系と銀座クラブと経営者層は、未だに、日経新聞かもしれないが、40代以下は、ごく仲間うちのローカルな話題か、たまたま、会社の上司や社長が啓蒙された知的な話題が共通の話題のようだ。
新聞やTVニュースでは、閲覧や視聴順位が決まっており、電子版でも、PC画面なら、俯瞰性があり、その日のニュースを全体的に把握できる。しかし、スマホ系では、ニュースが入れ替わり立ち替わり変わる上、ニュースか広告か読み物か娯楽動画か、不明な場合も多く、ユーザーにより、類似傾向のものが多くなり、ますます、ニュースが個人毎に個別になる。
つまり、今日ほど、国民に、共通のニュースや話題(コモン話題)が無い時代はないだろう。それでも、コロナ禍以前は、リアルな場での会話などで、重要ニュースが判別できたが、テレワークでオンラインになると、ますます、コモン話題が無くなる。別の言い方をすれば、サイロ化と縦割り化が進んでいる。