わが経営戦略仮説の例外だった東芝と三菱電機?

多くの企業のケーススタディから、経営戦略理論という経営戦略仮説を提示、紹介してきたが、その中で、例外的な場合がある。

経営重心では、サムスン、日立やソニー、シャープはじめ多くの経営について、説明できたが、東芝が例外であった。不正会計等が明らかになる前だったが、経営重心からは、メモリと原子力という相反する重心の事業で「成功」している、珍しい二極型であった。拙著では、奇跡的に上手にコントロールしていると紹介していた。しかし、実態は、経営重心理論の通りであった。

 もう一つは、社長の再定義に関する仮説であり、6種類の分類とレジチマシーに分け紹介したが、そこでは、三菱電機が例外であり、珍しいガバナンス体制をとっていた。社長は権力を持たない「象徴型」であり、事業での実績と社長を分けた人事、実績はあるが社長にならない役員は高額の報酬で報いる、というのは、他に例が無かく、どうマネジメントしているかに関心があり、感心していた。しかし、これも、不正検査問題で判明したのは、事業部が強いどころか、社長は単なる飾り、役員会も機能していなかった。

 

 上手い話は無いというのは常識だが、腑に落ちないことは、更に徹底して、自身の理論に自信を持ちつつ、検証を重ねなければならないし、そこに新たな発見もあるだろう。