CESはEVとメタバース~ソニーの挑戦

今年のCESの主要テーマは、EVとメタバースのようだ。米はGAFAMGMなどが、会場出展を中止、計画通りの出展はソニーや韓国系などに留まり、アナリスト等も渡航できず、情報はマスコミとCESHPが中心になる。CES - The Most Influential Tech Event in the World - CES 2022

HPだけでは、通常に出ているものとの差異が分かりにくいし、盛り上がりや、俯瞰的な観察が難しい。リアルでは、偶発性や、意外なベンチャーが頑張っていることを発見するが、それも難しい。

CESは、本来は家電ショーだが、EVあり宇宙ありの何でもありとなっていて、これは、ここ数年のCEATECでも見られた動きである。

ソニーがEV本格参入

ここで、注目されるのは、ソニーであり、記者会見で、新会社ソニーモビリティも設立、EVに本格参入する。クルマもエンタメ、感動のプラットフォーマモデルで行く方針のようだ。既に、アップル等も差入、トヨタ等の既存大手、テスラや中国系の新EV、そして、ソニーやアップル等のITエレキ系、ダイソンやEMSの鴻海と、4極が入り乱れる。これ以外に、完成車ではないが、NIDECやインテル、ファーウェイ等は、デバイスなど一部で水平分業のレイヤーマスターを狙う。

これからのCASE化の中で、業界構造がケイレツのままか、水平分業かは、長年議論になってきた。10年前に、拙著「日本の電機産業はこうやって蘇る (洋泉社BIZ)」に、この構造変化を書いた時には、自動車業界関連の方から、批判されたが、まさに、電機業界と同じ、水平分業化が起きている。ただ、業界の固有周期が長いのと、ケイレツが強いせいか、これまでの変化は遅かった。しかし、ここからの動きは速いだろう。日本の電機産業はこうやって蘇る (洋泉社BIZ) | 若林 秀樹 | | 通販 | Amazon

ソニー以外では、アップルがサンデンに空調系の開発等について打診した話は興味深い。スマホやゲーム機との部品コスト構成の差は、電動系(駆動モーター、減速機)、足回り系(タイヤ、ブレーキ、サスペンション)、装備(エアコン、コンプレッサー)、内装であり、IT系からの参入者は、こうした差異部品を取り込むだろう。「ケイレツ」崩す水平分業 アップル、サンデンに打診: 日本経済新聞 (nikkei.com)

また、トヨタも、独自の基盤ソフト「アリーン」を2025年に開発、プラットフォーマを狙う。これは、ウィンテル同様の基盤型プラットフォームであるが、日立のLUMADAと同様のモデルだろう。

メタバース

 メタバースでは、現在は五感のうち、映像と音が中心だが、触覚のハプティックは当然であり、さらに、匂いなどを、どう取り込むかだ。