日経新聞の経済教室は、大学教授や研究機関の研究員等による論説として有名であり、選考プロセスは不明であるが、日経新聞から打診があり、厳しい査読を経て掲載される。累計では6回、野村総研時代に1回、理科大に来てからは5回だが、いつも気合が入る。テーマは幅広く、経営学者、経済学者だけでなく、理工系もあり、日本人だけでなく、外国人からのものもあり、勉強になり、必ず読むようにしている。
なぜ、景気を占う指標で単体経常利益を使うのか
ただ、景気を占う指標として、データとして、経常利益(単体ベース)を使われているのに違和感を覚えた。今時、企業で、単独業績など意識している会社など皆無だろうし、そもそも、経常利益も死語に近く、連結営業利益か連結税前利益、連結税引利益だろう。
日本のGDPの50%は中小企業で、中小企業も入っている法人企業統計は単体経常利益ベース
景気について、GDPだとすると、日本のGDPは中小企業が5割を占めるため、上場会社決算だけでは、わからない。中小企業も含めた統計は、法人企業統計で、これが単体ベースとなっており、しかも、経常利益が主である。