デジタル日本列島改造論~日本列島改造論を振り返って

 

2022年は、日本列島改造論50周年だけではなく、田中角栄が実行した、日中国交正常化も50周年、また、沖縄返還も50周年という節目の年である。また、格差、インフレ、環境問題など、当時と日本や世界を巡る情勢は似ている。翌年の第四次中東戦争は、ロシアのウクライナ侵攻を想起させる。

日本列島改造論とは

今一度、「日本列島改造論」を読み返してみると、半世紀を経て、現在にも通じる、その先見性に驚かされる。角栄らしく、多様な数字、法制度、企業名や個人名、地名など、具体的な事例や譬えが多く、超伝導リニアモーターカーや、情報検索システム等、科学技術の話題も多い。裏日本の農家に生まれ、戦争の不幸も経験され、理化学研究所にも縁があった経歴もあるのだろう。また、成長と福祉の両立、平和主義は、まさに今日、新しい資本主義等にも通じるVISIONが示されている。

日本列島改造論は、自民党総裁選を翌月に控えた昭和47620日に初版発行、定価500円、全219ページである。