半導体不足が喧伝され、それが不況や製品遅れの一因にされている。果たしてそうだろうか。確かに、ウェハーは2023-24年まで厳しい。コンテナ船、港湾の逼迫、コロナ禍での後工程の混乱もある。
それよりも、大きな要因は、バーゲニングパワーの問題ではないか。海外の半導体メーカーにとって、多くの分野で、日本向けは全体の5%以下であり、しかも、値上げに応じず、上から目線で、商習慣も煩雑である。そんな顧客は後回しにされるだろう。世界のGDPに占める日本のシェアは1980年代から2000年頃までは10%程度であり、ハイテク製品では存在感があり、半導体メーカーにとっても上顧客であった。しかし、今や、GDPシェアは5%程度、2060年には3%となる。