半導体市況認識でのサプライチェーン長期化影響

半導体市況認識について、株式市場やアナリストは慎重、マスコミは楽観、半導体メーカーの認識は様々だが、ユーザーや家電量販店等では、半導体がなお足りないとの声もある。

 一時の極度な逼迫は終わり、軟化しているものもあり、斑模様だが、過去と比べても、認識ギャップが大きい。この背景を考えてみた。

 かつては、半導体のTATは概ね1ヶ月程度であり、後工程等を入れても、サプライチェーンの長さは、2ヶ月程度であり、在庫も12ヶ月と、四半期の中では、サプライヤーとユーザーの認識は一致していただろう。しかし、半導体の高度化と水平分業が進んだ結果、NANDではTAT5ケ月、後工程も複雑化、米中摩擦やコロナ対応などBCP観点で在庫も数ヶ月となり、サプライチェーンは、四半期を超え、半年どころかか1年を超えてきている。製造装置は、1年待ちは常識、EUV2年半だ。

こうなると、サプライヤーは供給責任を果たしたと思っても、ユーザーに着くのは1年以上先であり、更に、サプライチェーンの末端の家電量販店では、その先となる。