MOTは、元来、経済学や経営学に無縁だった技術者を中心に対象としており、1年次の最初に、将来CEO等になる際に、CFO的知見ということで、財務会計やマクロ経済学の授業がある。コア科目として、必修だが、それでもレベル差があり、そのイントロとして、選択の基礎科目を配している(逆に文系出身の社会人のために科学技術基礎などの科目もある)。
当然、担当は、専門のエコノミストやアナリスト、公認会計士が担当するのだが、それでも、理文系に超えられない壁がある場合も多い。特に、マクロ経済学は、理系は、まず大学で履修しない。他方、大学文系は履修するが、そもそも入試で数学が無く、数式を使わず、分かり易くしているつもりが、逆に理系には分かりにくく、社会を知っているので、無理な理想的な前提にも戸惑う。実際、自身も30年前に受けたアナリスト試験(マクロ経済学、財務会計、証券分析の3科目、1次合格後2次がある)では、マクロ経済学が暗記もあり、一番面倒だった。これを解消した本が、長沼伸一郎の一連の名著であり、30年前に腑に落ちない面がすっと理解できた。
今回、ゼミ生から、要望もあり、輪読と演習中心に、8月11日の休みを利用、11-18時まで「オッサンのためのマクロ経済」と称して補講を行った。