半導体敗因を三因分析

日本の半導体産業の敗因に関しては既に多様で数えきれない指摘がある。ここ数年、半導体不足や米中摩擦問題でマスコミの注目度が上がった結果、半導体の内容を知らないままに、敗因について、ステレオタイプな認識が広がり、誤解を招いている場合も多いように思う。

 そもそも、半導体といっても、かつてトップから日本メーカーとしては0となったDRAM、そこそこ健闘しているNANDや、アナログ、パワー、トップを維持している画像センサー、過去からも強くないロジックと、製品毎に、状況は全く異なる。さらに、時期によっても、要因は違うだろう。製品毎の直接的な要因の背景にある日本の電機メーカー全体の問題や、マクロ要因、日本全体の共通性もある。

3シン因分析

 そこで、原因を、考案した3「シン」因分析、直接の新因と、本質的な理由の真因、更に深い深因と構造化して分けて考えてみた。普通に原因とされるのは、新因か真因であり、深因は、ある場合にはプラスだがある時はマイナスというような、文化に根差したような避けがたいもので、他のケースにも当て嵌まるようなものである。

 製品別と5つの時期に分けたマトリックスとして、それぞれの状況とそこでの直接的な原因、即ち新因を記している。