TSMC価格戦略分析 

ファウンドリの価格戦略を、TSMCUMCSMICのアニュアルレポートやForm10-K等の公開情報や報道から分析、考察した。

価格の決定要因は、一般的には、コスト、市況(需給)、競争環境である。コストでは、微細化ノード、マスク枚数、DepR&Dレベル、その他があり、市況では、微細化ノード別のアプリケーション動向、顧客との関係性もある、競争環境では、全体のシェアや微細化ノード別のシェア、さらに、IPやツール等のエコシステム提供、QCDの中での短TATや機能など新たな価値提供もある。

 半導体においては、Mooreの法則の中で、微細化が進み、集積度アップによる高機能化(処理性能向上や新機能)や消費電力削減のユーザーメリットがあり、コストも当初はDepR&D、立上げの低歩留まりで高いが最終的には、前世代の微細化ノードに比べ、高い性能と低コストを提供する。この価格弾性効果が大きいハイテク分野では、微細化が価格決定と差別化要因になっている。

そこで、重要なのは、微細化が進む中での、微細化ノードのロードマップと、どのタイミング、どういう価格で、前世代ノードから次世代ノードへ切り替わるか、ということになる。