東芝、コバレントマテリアルの教訓を忘れるな 非公開なら唯一の条件は

 マスコミ報道を見る限りは、東芝は、非公開化に向けて動いているように見える。ここで、重要なのは、非公開化した後の企業の検証である。再上場などの成功例は、数少なく、ハイテクあるいは製造業では、ソニーケミカルからデクセリアルズと日立マクセルからマクセルくらいであり、多くは、非製造業で固有周期が短く、プロ経営者によるMBA流の教科書通りのやり方でコストカットのリストラ、短期で成果が出るものだ。デクセリアルズやマクセルの例は、非上場決定時に、既に再上場の計画などが入念にあり、ファンドとも十分なコミュニケーション同意があったといえる。

 非製造業に比べ、製造業はイノベーションによる成長が鍵であり、固有周期も長い。コストカットは、MBA流にできても、イノベーションや成長は難しい。ポートフォリオ入替も深い事業や技術の理解が必要だ。わがMOTでの研究例以外には、非上場化の総括研究は殆ど無いが、マスコミや役所やアカデミック側も、乱暴なことである。

 忘れてはいけないは、コバレントのケースである。ウェハーや材料の事業や技術を有し、東芝の優良子会社であった東芝セラミックスは、、コバレントマテリアルと社名を変え、非上場化したが