半歩先と真ん中を相手にする

 昔から、ビジネスの要諦は、一歩先でなく、半歩先だと言われる。半歩先なら、一歩先、数歩先は考えなければならない。

 株式市場は、半歩先は織り込んでいる。半年から1年先はもう起こっている。それゆえ、機関投資家など参加者は、一歩先から数歩をアナリスト等と議論して、銘柄を入れ込む。コンサルタントも、半歩先を読んで経営者と議論して計画を立てる。これらを考えるのは、経営者や機関投資家であり、情報を多く持ち、目が肥えている人間が多いため、求められるのは、新たな切り口や独創性である。長年、この世界にいたので、半歩先から数歩先で、新たな切り口を常に考えている。すなわち、「何が起きそうか、どう変わるのか、どう準備すればいいのか」である。

 

 しかし、実際は、いま、ここ、であり、多くの人間は、現在に関心があり、起こって、初めて反応する。そこでは、独創性や切り口でなく、起こっていることをスピーディーに、シンプル分かり易く伝えることが必然だ。株式市場でも、個人投資家の一部やそういう営業は、ここであり、「何故、起きているのか、何が起きているのか、どうすればいいのか」である。マスコミも、ここである。