フェアネスとリスペクトとリーダーシップ

グラデュエーションペーパーも含め、論文には、必ず、本でも、章立てで、「先行研究」、「参考文献」、「謝辞」が、必ずある。これは、先人やお世話になった方のクレジットを認め、感謝を形にするもので、研究者としてだけでなく、人間として当然のことだ。音楽会では、指揮者が必ず、演奏者を紹介し、スポンサーに謝意を示すし、映画でも、全ての貢献者が表示される。これは、リーダーシップでもあり、貢献者や参加者を紹介し、リスペクトし、謝意を示してこそ、やる気も出るし、エコシステムが広がる。

それゆえ、自身も、授業の中で、過去のゼミ生や他の教員の成果について謝意を込めて紹介するし、MOTVIPや大学幹部が見学に来た場合は、必ず、仲間の教員や事務メンバーを紹介し、彼らの縁の下の貢献に言及する。言わないとわからないし認識もできない。

これは、換言すれば、フェアネスとも言えるだろう。その発展形としては、場に対し、エコシステムの中で、ただ乗りではなく、GIVE&TAKE、あるいは、何が貢献できるかを自覚しなければならない。これは、大学でもゼミでも、評価には、授業への貢献、というのが必ずあるが、これが重要である。また、授業でも、水面下で、準備や後処理などが多い。

ビジネスでも、政策でも、アカデミックでも、今年、日本人にとって、重要なキーワードは、「フェアネス」ではないかと思う。グローバリゼーションは止まらない 連載「Next World: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 CHIP WAR」での日米半導体摩擦に関する記述で、はっと気が付かされたのが、「フェアネス」であり、それで長年のモヤモヤが腑に落ちたのである。