ますます、技術経営戦略が重要になってきたことを実感する。技術経営戦略とは、技術の特性を考慮し、生かして経営戦略を実施することだと言える。
ミラー氏の「CHIP WAR」では、半導体の進歩で、定番だった勝利の方程式の戦略が使えなくなり、新たな戦略を打ち立てる歴史を紹介している。かつて、ソ連や中国の定番だったCopy it戦略は、半導体が複雑になり、Copyできても、再現する時間がかかって意味がなくなった。ASMLは、IMECを使ってオープンイノベーションの中で、数十万の部品を、多くの国や地域にサプライチェーンを構築することで、追随を不可能とした。ハイテクでは長年、有益となれる先行者利潤を狙うChip faster戦略も、微細化の限界やコストアップで難しくなった。同時に、最大量産によるコストダウンも、中国という存在が、最大の顧客であり最大のライバルとなって、ダメになった。