2023年3月12日 シリコンサイクルとクリスタルサイクル~先行指標のパネル価格底打ちか

 多くのアナリストや予測機関では、2023年の世界半導体市場はマイナス成長がコンセンサスとなっている。2022年の半導体市場分析と2023年予測、ガートナー:2023年は前年比6.5%減に(1/3 ページ) - EE Times Japan (itmedia.co.jp)

議論はマイナス幅と回復時期に移っている。2022年は、当初二桁増から、ほぼ0成長となったようだ。【福田昭のセミコン業界最前線】微増に終わった2022年の世界半導体市場、暗いトンネルの出口を探る展開へ - PC Watch (impress.co.jp)

月次では秋口から既にマイナスとなっていた。特に、厳しいのは、メモリーである。DRAMNANDも下げ止まらず、既に各社は、4Qから赤字転落もあり、この1Qでは、サムスンでさえ赤字の可能性もあるだろう。半導体、メモリー不況鮮明 データ増も価格3割急落 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 逆に、2021年秋から下げ止まらなかった液晶がTV用では、2023年に入り底打ち、キャッシュコスト割れ水準を超えてきた。TV用大型液晶2%高 2月大口、小型は横ばい - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 ディスプレイと半導体メモリーでは、価格弾力性が異なる(DRAMNANDでも異なり、NANDの方が大きい)ため、下げパターンは異なるが、概ね、先行指標は、ディスプレイ(これまでは液晶)のクリスタルサイクル、そして、シリコンサイクルのうち、メモリーが来て、最後に、アナログ等である。現在は、在庫は溜まっているが、イナーシャが効いている段階だ。車載では不足もある。DRAMが先か、NANDが先かは、意見が分かれるが、メモリーの底は3Qから4Qであり、それ次第でやや変わるが、2023年の半導体全体では、10%15%マイナス程度ではないか。