最近、TSMCにも関係し、様々な分野で、台湾有事シナリオについての研究報告が成されている。最も有名なのは、CSISにより、1月に公開されたシミュレーションであり、日本でも、多くのマスコミで取り上げられた。The First Battle of the Next War: Wargaming a Chinese Invasion of Taiwan (csis.org)
米研究機関の台湾有事シミュレーションが描いた「日本にとって最悪のシナリオ」(ニッポン放送) - Yahoo!ニュース
また、その他、多くの論考も出ており、好著もあり、野村総研で少し一緒だった森本さん等による力作もある。台湾有事のシナリオ:日本の安全保障を検証する | 森本 敏, 小原凡司 |本 | 通販 | Amazon
ただ、何れも、軍事や政治面が中心の机上演習結果であり、PEST分析が当然の割には、経済や技術の視点が少ない。技術に関しては、やや狭く、ドローン活用も含めたデュアルテクノロジーの視点がない。また、5W2Hの視点では、When(具体的にいつ)やHow much(経済、GDPへの影響)が分からない。
企業経営や資金運用からは、「ドンパチ」のホットな戦争結果だけでなく、為替、GDP、不足する資源、「戦後」の姿が重要である。また、政治家目線では、ホットな戦争の前に、経済や社会の状況、あるいは、「戦争」を有利にするため、予め、経済(特に金融政策や資金繰り)や外交面といった外堀からじわじわと攻めていくものだろう。