シリコンサイクルと付き合ってきたからではないが、何事も直線でなくサイクルで考える習慣がついている。そもそも、日本人は干支や春夏秋冬も含めサイクルで捉える習慣がある。
サインコサインカーブもそうだが、ピークが見えると、スタートからピークまでの2倍でエンドであり、ボトムである。加速度がピークなら、そこまでの2倍の期間でピークである。
人生も最も成長する20歳前後の2倍の40~50歳がピークであり、寿命はその2倍の80~100歳となる。企業や産業も同様であり、半導体も1950年代後半とすると、最も大きく成長した1990年代(40~50年)までが加速度最大で、この頃は日本が強い。そして、そこからは日本から韓国台湾へ移るが、そこから更に40~50年後の、2030~2040年がピークとなり、そこからは、シリコンではなく、化合物になるか、More than Mooreになるか不明だが、異なる成長だろう。
TFT液晶は、88~90年が離陸で急成長が95~97年で日本が最強、ここで7~8年、そこから7~8年2005年頃にピーク、2010年頃にはOLED代替が始まり、2020年以降は成長鈍化だ。LiBやノートPC、デジカメ等も同様で経営重心のサイクル論とも関係するだろうか。
国も戦後日本1945年を起点とすると、成長加速度最大の高度成長期1965~1970年位までが20~25年、そこから20~25年の1985~1990年のバブルでピーク。そうすると、戦後日本の寿命は2035年となり、新たな日本として再生しなければならない。明治日本も日露戦争勝利のピークまでが40~45年、そこから約40年後が終戦である。加速度最大は明治憲法制定の頃、下落加速度最大が満州事変の少し前だろうか。日露戦争大勝利当時、海軍は永遠の発展を信じたが、その寿命は当時の人間より短かった。
これまでは、国家や組織の寿命が人間の一生より長い場合が多く、今でも、そういう錯覚にとらわれるが、国家や企業や産業より、人間の一生が長くなってきた。大きな組織の方が寿命も長く感じるが、意外にも短いのが、産業であり国家である。