因果、推測、予測、そして、真実

アナリスト時代は、公開情報から会社の成長性や競争力の真実を探り、そこから将来を予想するという作業の繰り返しであった。推定された会社の実力から予想される業績予想の当否により、自身のロジックや推測ルールを検証、修正し改善を加えてきた。その一例が、経営重心論などである。

 さて、今は、教授という立場で、またNEDOの審査委員などの立場で、マル秘情報や、場合によっては、経営陣も知らないか意識していない情報に接する。あるいは、過去の真実も確認でき、ある意味、昔の答え合わせができる、というわけだ。

 過去については、真実はあっても、当事者がいなくなり、あるいは複数いると、事実の解釈や因果関係が難しい。現在については、当事者は既知であっても、関係者が多いと、解釈は異なり、全体像は不明になったりする。こうした過去の事実から、法則性や普遍的事実などの「ロジック」を見出し、そこから、未来を予想する。