迂回型イノベーションと最近技術

研究イノベーション学会において、TFT液晶、NANDフラッシュ、Li電池など、デバイス中心だが、迂回型イノベーションモデルを提唱した。迂回型イノベーションモデルは、当初、巨大市場でのライバル技術の置換えを狙うが、難しく、回避して、別の市場で離陸、その後、様々な技術の貢献で、新市場にも巡りあり、ぐるっと一周2030年かかるが、当初狙っていた市場を取り込み初志貫徹するというものだ。OLEDや炭素繊維なども、このパターンだ。AIも広い意味で近いかもしれない。一周が何年かは分野によるだろうが、どのタイミングで最初の市場から転戦し、やり方を変え、良いニッチ市場を見つけるかが鍵だ。デバイスのケースだといずれも、発明から5年程度で転戦、10年では良い市場を見つけて、一定事業基盤(開発を継続できる)の地位を得ている。そうでないと、理解あったトップも変わり、累積赤字も膨大になるし、開発チームも抜けていき、チームリーダーも老いる。