「理由」「原因」の構造について、3「シン」因分析、直接の新因(近因)と、本質的な理由の真因、更に深い深因と構造化して分けて考案すべきだと提案している。普通に原因とされるのは、新因か真因であり、深因は、ある場合にはプラスだがある時はマイナスというような、文化に根差したような避けがたいもので、他のケースにも当て嵌まるようなものである。この3シン因分析を使って、半導体の敗因も分析した。 原因とされる、①油断、②日米摩擦や米戦略、③国内政策、電電解体等、④水平分業遅れ、⑤品質拘り、⑥マーケティングや情報軽視、⑦経営者とビジネス力、⑧自前主義や横並び体質、につき考察した。 「時期によって、本質的な場合もあり関係の無い場合もある。新因(直接の原因)は、日米摩擦や水平分業等、トップ次第戦略次第で対応できたものが多い。その真因は、経営と技術の分断、構造変化に弱い等があり、これらは、半導体だけではなく、電機業界全体の問題でもあるが、中期では、教育等で対応可能かもしれない。深因は、油断し易いくせに、自暴自棄になりがちで、目先の和(周囲と時間軸でも)を重視するが中長期目線がなく、その癖、対応が遅い等の国民性もある」
しかし、上記の8つの原因のそれぞれの関係性や因果関係については言及せず、3因との対応は主観的な考察になっている。そこで、客観視するため、ネットワーク科学で、それぞれの因果を分析した。