私学法改正とガバナンス

いま、私立大学は、私学法改正で、てんやわんやであるようだ。大学における「憲法」は「寄附行為」といわれ、大きく改正される。日大の元理事長の事件を契機に、私学のガバナンスが求められ、20232月に閣議決定され。20254月施行となる。大学や短大を運営する法人の場合、合併・解散といった重要事項の議決権や理事の解任請求権を評議員会に認めるのが柱。理事らの背任行為や贈収賄には罰則を設ける。改正案によると、法人の監視・監督を担う評議員会は、理事会の諮問機関との位置付けは変わらない。理事会へのチェック機能を果たすため理事と評議員の兼任は禁止する。評議員会の議決が必要なのは法人の根幹に関わる事項とした。不祥事があっても理事が辞めない場合を想定し、評議員会に解任請求権を与える。大学運営の監視機能強化 私学法改正案を閣議決定 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

改正私立学校法に基づく寄附行為変更認可申請(令和67月以降受付)について(文部科学大臣所轄学校法人):文部科学省 (mext.go.jp)

これまでの私学のガバナンスでは、評議員の位置付けは、国のガバナンスに例えると、いわば国会議員であり、そこから、いわば内閣に相当する理事を選ぶというものだったが、今回は上場企業のガバナンスに近い。すなわち、そのコンセプトは理事会、評議員会、監事という3つの機関の間で執行と監視・監督の役割を明確化・分離になる。理事長、業務執行理事などの経営陣の不祥事を防ぐため、評議員会の機能強化に一番の主眼が置かれた。現状ではチェックされる側の理事全員がする側の評議員を兼務している場合が多い。改正法では評議員会の独立性を担保するため、理事との兼任を一律に禁じ、理事・理事会選任の評議員は2分の1以内、教職員評議員は3分の1以内にするなど評議員の構成にも制約を課した。

 

変わる私学ガバナンス 法改正を機に経営改革進めよ 大河原遼平・TMI総合法律事務所弁護士 - 日本経済新聞 (nikkei.com)