イノベーションを起こし、支援でき、あるいは、正しい判断ができる目利き力があるチームとは、どういう構成メンバーがいいのだろうか。多様性は重要だが、人種や性別、年齢など人口統計学的多様性といった表層的多様性でなく、専門分野や考え方の違いも含めた、認知的多様性すなわち深層的多様性である。開発チーム、役員会、審査委員会、有識者メンバー、パネル討論会、さらには、MOTでのゼミや授業でのグループ討議のメンバーでも、多様性はある。多くの場合は、その分野の権威で、主流派と反主流派、別の分野の専門家、専門家ではないが、有名人で鋭い切り口を持っている方であれば、有益な示唆が得られる。しかし、意外に、構成員に含めていないのが、横グシあるいは、π型人材である。複数の分野について、専門家と十分な議論ができ、全体を俯瞰できる人材である。本来は、ファシリテーターが適しているが、この人材がいると、議論が発散せず、個々の専門家や全くの素人を繋ぐことができる。