決定のあり方と原理

「テクノリバタリアン(橘玲)」に政治体制をマッピングした図があり、最近の左翼、右翼、リベラル、リベラリズムを上手く説明している。

 これを参考にして、図示すると、横軸は結果平等か機会平等かという決定の結果に関する思想・信念を示す。結果平等というのは、中心極限定理が支配しているかのようであり、機会平等で格差が広がり混乱するのはエントロピーの法則が支配しているかのようである。縦軸は決定プロセスを誰に委ねかの軸で、真ん中の原点をボトムアップの民主主義(決定は多数決)、上が人間でなくAIによるトップダウンで決め、下は君主や帝王、独裁者がトップダウンで決める。大衆にとっては、左上は、いわば野生を奪われた大人しい「家畜」、左下は「奴隷」、右上は、無秩序と混乱が続く応仁の乱のようであり、右下が激しい人間社会である。金融なら、下が、いわばかつての日銀総裁の英断で決め、上は、ブロックチェーンで決めるようなものだ。現在の日本は、程度の差こそあれ原点中心に分布している。かつてのアナキストは左上、左下はソ連や北朝鮮の社会主義、右下が君主制、右上が金融市場主義とも言える。テクノリバタリアンは人間の決定に批判的でKPIを定め、AIで決めるという極端な思想で若手に支持がある。

 これを戦略で決まるなら、真ん中が今の経営に近く、企業の意志決定はボトムアップ、あるいは、株主総会、役員会で決める。下がオーナーによるトップダウン経営である。左は、社員の報酬等の差がない、役所などに多いパターン、右は米系の差が大きいというものである。